●ガリヴァー旅行記
●スウィフト作、平井 正穂 訳
●岩波文庫 461ページ
●初版 1980年
『ドン・キホーテ』につづき、「名ばかり高く読まれることの少ない」小説の代表格『ガリヴァー旅行記』を読み終えた。
元旦に読み始め、読み終えるのに20日も掛かってしまった。
幼い頃に読んだ『ガリヴァー旅行記』は小人の国、巨人の国というファンタジックな物語であったけれど、大人の『ガリヴァー旅行記』は、風刺と皮肉と諧謔にあふれていています。
物語は下記の四編で構成されています。子供の頃に読んだのは第一編と第二編ですね。
第一編:小人の国
第二編:巨人の国
第三編:天空の島・ラピュータ
第四編:高い知性と、理性を備えた馬、倦むべき獣人ヤフーの国
第三編、第四編は痛烈な人間批判に満ちていて、子供にはきつい内容です。
とはいえスウィフトの超人的な想像力が生み出す物語には新たな発見が多数あり、決して飽きることなく読み進むことができます。
一方で、スウィフトの過剰な人間嫌いが随所に見られ、途中で投げ出したくなったのも事実ですが、ファンタジーとアイロニーが交錯する名著だと思います。
最後に、どうでもいいけど、面白い発見がいくつかあったので記します。
①第三編に登場する天空に浮かぶ島「ラピュータ」は、宮崎駿の「天空の城ラピュタ」のモデルとなっている。
②第三編で島から追放されたガリヴァーは、江戸で将軍に謁見したあと、長崎からオランダに旅立った。(このとき、オランダ人だと偽って踏絵を免除してもらった)
③第四編に出てくる人間の姿に似た獣人ヤフーがYahoo!の語源と言われている。
2010年1月20日水曜日
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