2010年4月25日日曜日

【日常】ココとイームズ

ココがイームズのシェルの上でくつろいでいます。

ソファー買ったら占有するんだろうな~。

【読書】コスモポリタンズ

●コスモポリタンズ
●サマセット・モーム 著、龍口 直太郎 訳
●ちくま文庫 382ページ
●初版 1994年

1924年から1929年の間にアメリカの雑誌『コスモポリタン』誌に掲載された短編29編が掲載されています。

アメリカの雑誌は、巻頭に物語の冒頭部分と挿絵をカラーで掲載し、「続きは○○○ページを読んでください」というふうに広告の掲載されたページに誘導するという手法を用いることが多いそうです。

冒頭の部分だけ読んで、忘れられてしまう可能性が高く、作家としてはあまり喜ばしい手法ではないそうです。

そこで、モーム先生の場合は特別に、巻頭のカラーページに物語の全篇を掲載することが許されたようです。

ただし、挿絵とあわせて見開き2ページというのが条件で、きわめて少ない文字数で物語を書かねばならなかったそうです。

余分な副詞や形容詞は極限までそぎ落とし、起承転結のあるまとまった面白い物語を書かなければなりません。

この条件はとても厳しかったそうですが、文章を磨く良い鍛錬の場になったとモーム先生はおっしゃっています。

モーム先生曰 く、「私たちは文章にちょっとした調子をそえるという理由で、不必要なことばを書くことがよくある。意味の上では必要のないことばは一語も使わないで文章の調子をとってみることは、なかなかためになる修行であった」と。

こういう説明を聞くと、とても味気ない物語なんじゃないかと思ってしまいますが、そこはモーム先生、技の見せ所とばかり、少ない文字数の中でもとてものびのびと物語を展開してゆきます。

一話が7~14ページ程度に収まっています。

私がもっとも面 白いと感じたのは、「落ち行くさき」という物語です。まるで落語を聴いているような「落ち」に思わずにんまりしてしまいました。

読み終えて思わずにんまりとしてしまう物語りもあれば、見事な「落ち」に「やられた~」と言わしめるもの、ジーンと余韻の残るもの、さまざまな物語があります。

ちょっとした時間のチョイ読みにぴったりなすばらしい短編集です。


【日常】ココ久しぶりのお風呂

体調を崩したり、なんやかんやで1か月ぶりにお風呂に入りました。

慣れているとはいえ、やっぱりお風呂は嫌いみたいです。

殺気を感じてしばらく逃げてました。

湯船につかってしまうと、結構気持ちよさそうなんですけどね~。

今日は1か月分の汚れを落とすべく、ブラシでゴシゴシ、入念に洗いました。

とてもいい匂いになりました。

2010年4月24日土曜日

【教養】NHK ハーバード白熱教室

NHKの「ハーバード白熱教室」がとても面白いです。
http://www.nhk.or.jp/harvard/

『倫理』という答えのない形而上の問題について、ソクラテスの用いた対話方により学生と対話しながら講義を進めると言う。とても興味深い内容です。

余談ですが・・・。

第一回の講座では、軽く哲学の定義について触れていましたね。その中で、ソクラテス(プラトン)の『ゴルギアス』での名場面 「ソクラテス VS. カリクレス」の一文が紹介されていました。

人生のしかるべき時期に節度をもって学ぶなら哲学は可愛いオモチャだ。しかし、節度を越えて哲学を追究する なら破滅する。
」というものです。

「若者が哲学にうつつをぬかすのは結構だが、いいおっさんがいつまでも哲学するのはいかがなものか」というのがカリクレスの言い分ですね。

哲学なんかより、カリクレスやゴルギアスのように弁論術を身に付けるほうがよっぽど実用的じゃないかと。

しかし、人間が生きている以上、哲学を避けることはできません。「人は何のために生きているのか」、「何が善で、何が悪か」、「なぜ人を殺してはいけないのか」、「宇宙はどこまで続いているのか」、「なぜ宇宙があるのか」、「誰が宇宙を作ったのか」・・・、幼い子供から、余命いくばくもない老人にいたるまで、これらを避けて生きてはいけないですからね。

仮に本人が意識しなくとも、無意識の自分がこれら哲学の解を求めるのは、人間として避けることはできないですし。

人はより良く生きようとするので、意識しようがしまいが、哲学は避けて通れないのです。

そして、
サ ンデル教授は、哲学とは「あたりまえのことを別の視点から見ることだ」と言っていました。あたりまえのことを別の視点から見てもあたりまえには変わらないのだけれど、一度別の視点で見てしまうともう元の視点では見られなくなると。

すばらしい定義ですね。

こうやって、グイグイと生徒を哲学の世界に引き込んでいくサ ンデル教授。しびれました。

第1回は、学生の答えが思ったより平凡だったのですが
、アジア系学生の、「一人の命を救うより五人の命を救うという考えは、全体主義につながる」という答えは面白かったです。

人種の「るつぼ」アメリカならではの回答ですね。

次回に向けては課題図書を読む宿題も出されたので、第2回以降はビシビシと切れた答えが返ってくるんだろうなぁ。楽しみです。

ところで、先のカリクレスの主張にソクラテスがどう反論し、カリクレスやっつけたかについて興味をお持ちであれば、是非『ゴルギアス』をご一読ください。哲学書とは思えない平易で明快な文章はまるで小説を読んでいるようです。そして、ソクラテスの胸のすくような痛快なカウンターパンチを味わえます。

私は『ゴルギアス』でお腹いっぱいなのですが、サンデル教授は次回までに次の5つの書籍を読むように宿題を出しました。

・アリストテレス 『政治学』 (邦訳 中央公論新社)
・ジョン・ロック  『統治二論』 (邦訳 岩波書店)
・カント『道徳形而上学原論』 (邦訳 岩波書店)
・ジョン・ロールズ『A Theory of Justice(正義論)』 (邦訳(紀伊國屋書店)は絶版)
・ジョン・スチュアート・ミル『Utilitarianism(功利主義)』 (邦訳なし)

さすがはハーバード、厳しいな~。

余談が長くなってしまいましたが、講義の内容については以下のNHKの解説のとおりです。



【NHK解説】

創立1636年、アメリカ建国よりも古いハーバード大学の歴史上、履修学生の数が最高記録を更新した授業がある。政治哲学のマイケル・サンデ ル教授の授業「Justice(正義)」である。大学の劇場でもある大教室は、毎回1000人を超える学生がぎっしり埋まる。あまりの人気ぶりにハーバー ド大学では、授業非公開という原則を覆し、この授業の公開に踏み切った。ハーバード大学の授業が一般の目に触れるのは、史上初めてのことである。

サ ンデル教授は、私たちが日々の生活の中で直面する難問において、「君ならどうするか?何が正しい行いなのか?その理由は?」と、学生に投げかけ、活発な議 論を引き出し、その判断の倫理的正当性を問うていく。マイケル・ジョーダンやビル・ゲイツはその仕事で、すでに社会に貢献しているのになぜ税金を納めなけ ればならないのか。また代理出産、同性愛結婚、人権など最近のアメリカ社会を揺るがす倫理問題も題材となる。絶対的な答えがないこのような問題に、世界か ら選りすぐられた、さまざまな人種、社会的背景を持った学生が大教室で意見を戦わせる授業は、ソクラテス方式(講義ではなく、教員と学生との闊達な対話で 進められる授業形式)の教育の最高の実例と言われている。

世界の若き頭脳たちの堂々たるディベート能力、知的探求心、考える力など、世界 最高レベルの知的エリートの能力は、私たちに強烈な知的刺激を与える。さらには、宗教、人種、貧富など複雑に入り組んだアメリカ社会の構図を読み解く糸口 にもなる。また副音声による英語放送によって、今のアメリカの生きた英語を学ぶ絶好の教材ともなるはずである。

2010年4月23日金曜日

【日常】ファーミネーターの威力

ココの抜け毛のお手入れには、ファーミネーターを使っています。

ペットショップで試してみて驚くほどアンダーコートが抜けたので、迷わず買いました。

たった5分ほど手入れするだけで、信じられないほどの量の抜け毛がごっそりと溜まります。

これから毛の生え変わりを迎えるので、こまめに抜け毛の手入れをしようと思います。


【音楽】今日の1曲 Buffalo Gals

Malcolm McLaren / Buffalo Gals

1983年発売のアルバム 『Duck Rock』 の2曲目に収録されています。

つい先日、お亡くなりになられました ロックン・ロールの詐欺師こと、 Malcolm McLaren 氏の代表作のひとつです。

1980 年代初頭、ヒップホップ、スクラッチ、ブレイクダンスが注目を集め始めた頃のブルックリンを舞台に、ヒップホップの美味しいところをつまみ食いして作った名曲です。

当時このアルバムは日本ではあまり注目されることはありませんでした。

後に Herbie Hancock の 『Future Shock』 の大ヒットによって日本でも広くヒップ・ホップ(スクラッチ)が認知されるようになりましたが、Malcolm McLaren のほうが圧倒的に早く、かつリアルにヒップホップを世に伝えたと考えます。

完全に二番煎じであるにもかかわらず、 Herbie Hancock の 『Future Shock』 が大成功を収めたとき、私の中ではしらけ鳥が飛んでいました。

この、 Buffalo Gals は、2002年に Eminem の 「Without me」 で サンプリングされ、約20年ぶりに再評価されることになりました。(14秒目あたり)


2010年4月18日日曜日

【日常】ココと娘

夕方、娘と一緒にココの散歩に行きました。

どっちもかわいい娘だこと。

【日常】ココの寝相と新しいベッド

ココがとんでもない寝相で寝ています。

2つ目に買ったベッドは寝相が悪くてクタクタになってしまいました。

今日新しいベッドを買ってあげました。

ちょっとはみ出してるけど、まあいいか。

これでココの寝相は直るでしょうか・・・。

【日常】ココと桜のじゅうたん

今朝は息子とココの散歩に行きました。

先週満開だった桜は見事に散っていて、

桜のじゅうたんが出来上がっていました。

桜の花びらの上を散歩するココ。

3枚目の写真はマーキング中のココです。

【読書】雨・赤毛

●雨・赤毛
●サマセット・モーム 著、中野 好夫 訳
●新潮文庫 177ページ
●初版 1959年

モームの記した短編の中でも特に有名な『雨』、『赤毛』の2編と『ホノルル』の3編が収められています。

短編諸説の歴史は意外と短く、その流派は2つあるそうです。

ひとつが、ロシアのチューホフ流で「情緒的でひとつのムードとか人生の漠たる印象を伝える」のに対して、もうひとつはフランスのモーパッサン流に「理知的で話の面白さを身上としている」というものです。

前者は話の盛り上がりなどがないのに対して、後者には起承転結があり最後に落ちがあるのが特徴だそうです。

モームの短編は後者に属するそうです。

知らぬ間に読者を虜にするストーリーテリングは長編小説と同じような味わい深いものがあります。

人間の理性をも狂わせてしまうほど激しく降り注ぐ南海の雨の魔力を描いた『雨』、おとぎ話のようなロマンチックな恋物語と現実的な結末の乖離が読者の意表をつく『赤毛』、ホノルルの原住民の持つ不思議な魔力を語る『ホノルル』。

いずれも最後の落ちまで読者を釘づけけにする面白い作品ばかりです。

日本に初めてモームを紹介したという中野 好夫氏の訳は1959年ととても古いのですが、古さを感じさせずすらすらと読めてしまうところも魅力です。

【読書】お菓子と麦酒

●お菓子と麦酒
●サマセット・モーム 著、厨川 圭子 訳
●角川文庫 342ページ
●初版 2008年

モームみずからがもっとも気に入った作品のひとつだそうですが(たぶん)、登場人物の名前がややこしいのと、現在進行形と思い出話が交錯するプロットが複 雑で、理解するのに苦労しました。

自分の読解力不足を痛切に感じました。10代の頃のほうがもっと物分りが良かっただろう・・・。

フォントや活字の大きさに慣れないのも読むのに苦労した理由(言い訳)です。

余談ですが、・・・最近は岩波文庫ばかり読んでいたので気がつかなかったのですが、角川文庫は紙質があまりよろしくないですね。

ちょっと読書家ぶってみました・・・。

あらすじは以下の解説のとおりです。


長老作家ドリッフィールドとその妻ロウジー。同郷で少年時代を過ごした主人公にとっては特別な想いがあった。亡きドリッフィールドの栄誉を称え伝記を書き たいと友人に協力を依頼されたのをきっかけに、今はもう誰も知らない二人の本当の姿―奔放で変わり者だが、愛嬌に溢れ人々を魅了する男女の姿を、ひとり回 想してゆく。モームが最愛の女性をモデルに、風刺や批評を交えて彩り豊かな物語に仕立てた、愛すべき名作。

解説にあるとおり、モームが最も愛した女性を描いた小説で、女性の主人公の描写としては最高傑作だとされています。

華美な写実をもちいることなく、とても自然な言葉で女性の美しさを描写しています。

本編の真の主人公といえるロウジーの自由な生き方、性的に無軌道で、あけっぴろげな生き方を暖かい眼差しで捉え、彼女の周辺で起こる事件ををユーモアを交 えて語っています。

彼女の夫、長老作家ドリッフィールドのモデルが、トマス・ハーディーというのも皮肉屋のモームらしいです。

『人間の絆』のような深い感動はありませんが、読み終えた後に爽快な気分にさせてくれます。

2010年4月14日水曜日

【日常】ココ回復してきました

里帰りの長旅で体調を崩していたココですが、

昨日病院に行ってから体調が回復してきました。

毎日ココの血便を見るのはとてもつらかったです。

いっぱい散歩してストレス発散してくれれば、

明日からウンチも正常になるかな・・・。


【日常】忠犬ココ

私がベランダでタバコを吸っていると、

勝手口のところに座って私のことを待ってくれるココ。

忠犬ココ・・・犬って本当にかわいい。

2010年4月12日月曜日

【読書】モーム短篇集(下)

●モーム短篇集(下)
●モーム 著、行方 昭夫 編訳
●岩波文庫 366ページ
●初版 2008年

モームの晩年(60~70歳)に記された短篇12話を収録しています。

上巻と同様に、モームの人間不可知論が展開されます。

「人間は相互に矛盾する要素をたっぷり持つ複雑な存在であり、首尾一貫した人などいないのだ」というものです。

登場人物は、お偉方、俗物、オールドミス、漁夫、弁護士などとさまざまです。

いずれも、モームの人間に対する鋭く暖かい眼差しを感じる作品ばかりです。

単行本のカヴァーにペルシャ絨毯が使用されているのは、長編 『人間の絆』 で主人公(および作者モーム)が到達した人生観 「人生には意味はない。人生はペルシャ絨毯のようであり、それぞれが自分の模様を織り成すもの」に由来していると思われます。

それぞれの模様を絨毯に織り込んでゆくというのは、この短篇集の登場人物達にも共通して言えることです。

【読書】モーム短篇集(上)

●モーム短篇集(上)
●モーム 著、行方 昭夫 編訳
●岩波文庫 346ページ
●初版 2008年

モームの初期の短篇6話を収録しています。

訳者の解説やAmazonのレビューでも述べられていますが、いずれの短篇も、

モームの人間不可知論、「
人間は相互に矛盾する要素をたっぷり持つ複雑な存在であり、首尾一貫した人などいないのだ

ということをよくあらわしています。

誰しも、自分ではあたりまえであると思いながら、第三者からすると異常に思えたり矛盾するような側面を持っていることがあります。

極端な例ではありますが、悪人の中に善を見たり、善人の中に悪を発見したりすることもあります。

そんな矛盾した人間の側面が短篇の中でとてもうまく表現されています。

一話読み終えるたびに、思わずにんまりしてしまうのは、私だけではないと思います。

2010年4月11日日曜日

【日常】ココ、体調不良

先週、4ヶ月ぶりの里帰りを果たした我が家の愛犬ココですが、帰宅してからの一週間体調が思わしくありません。

下痢と血便が続いています。

食事はドライフードをお湯で柔らかくしてあげています。

今日もお昼過ぎに花見がてらにお散歩に行ったのですが、やっぱり血便でした。

便をするときにとても辛そうなので、金曜日に妻が病院に連れて行きました。

長時間、長距離のドライブ、なれない環境のためストレスが溜まったのでしょうか。

柴犬はとても頑丈な犬ですが、デリケートな面もあります。

実家の母曰く、「ちょっとした環境の変化で、柴犬でも血を吐いたり、血便になることもある」そうなので、しばらく安静にしておこうとおもいます。

病院では薬も処方してもらったし、食事もちゃんと摂っているので、深刻な問題ではないと思いますが・・・。

ココは我が家の大切な家族です。

一日も早く元気になってもらいたいものです。

【読書】サミング・アップ

●サミング・アップ
●モーム 著、行方 昭夫 訳
●岩波文庫 385ページ
●初版 2007年

『月と六ペンス』、『人間の絆』を読み終えて、次に読む作品を何にしようかと考えていたのですが、Amazon のレビューなどを参考にしつつ、この『サミング・アップ』を読むことにしました。

晩年にモームの記した自省録的なエッセイ集です。

小説作法や芸術について熱く語ったり、『月と六ペンス』、『人間の絆』が誕生した経緯などが語られ、とても興味深い内容でした。

モームの宗教や神、哲学、「真」、「善」、「美」についての考えには共感を覚える箇所が多々あり、感動を覚えました。

その昔、私が小学生で、初めて宇宙の存在を知ったとき。宇宙の外に何があるのかとても興味を持ちました。そして、宇宙の外のまた外には何があるのかと思い をめぐらせました。もし「なにもない」のが答えだとしても、「無」の概念は理解できませんでした。この時、宇宙の創造主の存在としての神の存在を認めざる を得ませんでした。

そんな時父は「それは哲学の問題だ」と教えてくれました。そのとき初めて「哲学」というものの存在を知りました。

モームはこう語っています「宇宙の・・・根源の創造の行為をなしたのは何であったのか、・・・創造主の存在を考えるのは避けがたいことのように思われ た・・・宇宙のとてつもない大きさを考えれば、全能の存在以外考えられなかった。」

しかし、私と違う点が以下の部分にありました。私の拙劣な考えでは及ばなかった部分でした。

「しかしこの世には悪が存在するため、この存在が全能かつ全善であるはずがないという結論に至らざるを得ない。全能である神は、世の悪の存在を許したこと で責められて当然であり、そういう神を尊敬し、礼拝するのは不合理である。」というのがモームの考えです。

(カラマーゾフの兄弟でイヴァンが無心論者となったのも同じような理由であったと思います。(『謀叛』の章))

私は「善も悪も、美もそうでないものも、真も偽も全能主がつくりたもうたもの」と考えていたのです。

しかし、「全能の存在以外考えられなかった。」という部分は私の考えと一致しているので、これは私だけではなく万人共通で認識せざるを得ない事実のように 感じました。

ついながながと引用が続きましたが、とてもいろいろなことを考えさせてくれる名著であると思います。

文豪モームといえども私のような凡人と同じようなところでつまづき、悩んだ痕跡を見つけることができたので、私の人生もまんざらではないのではと思い至り ました。

訳が、素晴らしく読み易いのと、章が細かく区切られていて、忙しい人でも難なく読み進められるので、是非ともオススメしたい一冊です。


【読書】イワン・イリッチの死

●イワン・イリッチの死
●トルストイ 著、米川 正夫 訳
●岩波文庫 105ページ
●初版 1973年

モームの『サミング・アップ』 が Amazon から届くまでの待ち時間に読みました。

軽い気分で読み始めましたが、テーマも内容も深くて重いです。

100ページ足らずの本ですが、人生について、死について多くの共感と教訓をもたらしてくれました。

地方で裁判官を務めるイワン・イリッチの人生は豊かで申し分ないように思えますが、些細なきっかけから不治の病に侵されてしまいます。

死を前に、人生を振り返りつつ人生の意味について考えるイワン・イリッチ。

苦痛と死への恐怖が徐々に大きくなるなかで、自らの人生を振り返った時に、それらが無意味なものに思えてくる。

そして死は恐れるに足りぬものではないのか・・・という考えにいたる。

臨終の間際でつぶやく『もう死はなくなったのだ』という言葉がとても重く印象的でした。


2010年4月4日日曜日

【日常】(速報)ココのきょうだい

早くもココに弟と妹ができました。

まだ生まれたばかり。

目が開いたばかりです。

コロコロでとてもかわいい。

ずっと抱っこしていたい可愛さ。

たまりません。


幸せなひと時でした。

取り急ぎご報告まで・・・。


写真 左:お母さんの「たま」と仔犬
写真 中:ココの弟、「カツオ君」
写真 右:ココの妹、「ワカメちゃん」