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●トルストイ 著、米川 正夫 訳
●岩波文庫 105ページ
●初版 1973年
モームの『サミング・アップ』 が Amazon から届くまでの待ち時間に読みました。
軽い気分で読み始めましたが、テーマも内容も深くて重いです。
100ページ足らずの本ですが、人生について、死について多くの共感と教訓をもたらしてくれました。
地方で裁判官を務めるイワン・イリッチの人生は豊かで申し分ないように思えますが、些細なきっかけから不治の病に侵されてしまいます。
死を前に、人生を振り返りつつ人生の意味について考えるイワン・イリッチ。
苦痛と死への恐怖が徐々に大きくなるなかで、自らの人生を振り返った時に、それらが無意味なものに思えてくる。
そして死は恐れるに足りぬものではないのか・・・という考えにいたる。
臨終の間際でつぶやく『もう死はなくなったのだ』という言葉がとても重く印象的でした。
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