●モーム短篇集(上)
●モーム 著、行方 昭夫 編訳
●岩波文庫 346ページ
●初版 2008年
モームの初期の短篇6話を収録しています。
訳者の解説やAmazonのレビューでも述べられていますが、いずれの短篇も、
モームの人間不可知論、「人間は相互に矛盾する要素をたっぷり持つ複雑な存在であり、首尾一貫した人などいないのだ」
ということをよくあらわしています。
誰しも、自分ではあたりまえであると思いながら、第三者からすると異常に思えたり矛盾するような側面を持っていることがあります。
極端な例ではありますが、悪人の中に善を見たり、善人の中に悪を発見したりすることもあります。
そんな矛盾した人間の側面が短篇の中でとてもうまく表現されています。
一話読み終えるたびに、思わずにんまりしてしまうのは、私だけではないと思います。
2010年4月12日月曜日
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