【DVD】Beh Harper ･ Pleasure & Pain で泣いた

半年ほど前にBen Harper のDVDを２枚買いました。１枚はライブ盤、Live at the Hollywood Bowl そしてもう１枚がドキュメンタリーの Pleasure & Pain（喜びと苦しみ）です。

ライブ盤は何度も見ていたのですが、ドキュメンタリーの Pleasure & Pain はExtra（おまけ映像）しか見ておらず、本編を今日初めて見ました。

ライブツアーで各地を移動するバスから物語りは始まります。バスの中での生活を説明するメンバー。バスでの移動は辛そうですが、「まるで我が家のように慣れて居心地がいい」、「メンバーは家族のよう」といったコメントがありました。

Krispy Kreme クリスピークリームのドーナツが食べたいと子供のように無邪気に歌う太っちょのベーシスト、ジュアン・ネルソンが印象的です。

彼の願いは叶い、クリスピー･クリームにてバスは停車し、２、３ダースのドーナツを手にします。

ツアー中に詩や曲のアイデアが思い浮かぶと言うベン。ツアー先で彼を待ち構えている記者たちのインタビューにうんざり、疲弊するベン。

しかし、どんなに疲れていても、明るく振舞い笑顔が絶えないメンバーは素晴らしい。

そして、幾つかのライブ映像が流れるが、この時期のベンはまだ椅子に座って演奏している。

途中、ベンの祖父の楽器店、楽器博物館（？）を訪れる場面がある。白髪の祖父は白人である。どこかの民族楽器の弦を鳴らして、器用に口で音階を奏でる姿はとてもお茶目です。

祖父の店には所狭しと楽器が並べられている。ベンの思い入れの深いワイゼンボーンも置いてある。

ベンは幼少期この店で店番をする祖母と一緒に楽器で遊んでいたと言う。音楽と楽器に囲まれた幼少期、少年時代を振り返ります。

父は黒人で、パーカッション奏者だったそうですが、ベンが子供の頃に家を出てしまったそうです。

ベンはそんな父を決して責めたりしません。８歳の時、父とボブ・マーレーのライブに行った事が、彼の人生の転機であったと言う。

そして、ベンの母が登場します。彼女は白人です。

登場したベンの母はベンの思い出について語ります。そして、アコースティック・ギターを２本持ってきます。１本をベンに、そしてもう１本は自分に。

ベンの母はギターの教師であり、近くのクラブで演奏するプロのミュージシャンでもあったそうです。

ギターを持ったベンと母は１つの曲を演奏し、歌い始めます。何回か練習したあと、２人で見事なハーモニーを奏でるようになります。ベンと母は抱き合って喜びます。

そして、場面が変わってベンのステージに移ります。そこには椅子が２つ置いてあります。１つはベンに、もうひとつはベンの母に。

ステージでベンが紹介します「私の母です！」

そして、２人で練習した曲を弾き、歌い始めます。とても美しい親子のハーモニーが感動的で素晴らしいです。

ここで、私は涙を堪えきれませんでした。なんて美しい親子だろう！

この感動の場面のあと、またツアーが始まります。

ヨーロッパ・ツアーの途中で、車を止めて、メンバーを待たせて、 Clarks （クラークス）の店内に飛び込みます。そして、お目当ての靴のジャストサイズを手に入れます。子供のようにはしゃぐベンにメンバーも半ばあきらめているようです。

※ベンは最新アルバム Ｌｉｆｅｌｉｎｅ でも Ｃｌａｒｋｓ のWALLABEE を履いています。

ずっと思っていましたが、ベン・ハーパーはお洒落ですね。特に普段着姿。

（ベンが買ったClarks の革靴、私も欲しかったんですが、この前アウトレットにあったような・・・）

そして最後はフランスで２万人の観客を前に熱唱するベン。当時まだ３０代前半でしょうが、貫禄とオーラの漂うステージの画像でドキュメンタリーは幕を閉じます。

こんな何気ないツアーをまとめたドキュメンタリーですが、ベンの生い立ち、音楽に対する考え方、彼の生き方を知ることができる、とてもよい作品です。映像もとてもよく出来ています。

ベン・ハーパーのファンの方には必ず見てもらいたい作品です。

師匠も是非見てくださいね。最低１箇所は感動する場面があります。映像も素敵ですよ。