これからの読書ライフを有益なものとするため、初心に帰ろうと、ショウペンハウエル著『読書について』を読みました。(実質20ページ程度です。)
恐らくこれで3回目になりますが、記憶容量が少ないので、今回もとても新鮮に感じました。内容の90%以上は忘却の彼方に消えていますから。
たくさんの示唆に富んだ言葉が溢れていて、捨てるところが無いです。
読書の秋を充実したものにするために、参考にしていただければこれ幸いと思い、気になった文章をいくつかピックアップしたいと思います。
①多読すればするほど、読まれたものは精神の中に、真の跡をとどめないのである。つまり精神は、たくさんのことを次々と重ねて書いた黒板のようになるので ある。したがって、読まれたものは反芻され、熟慮されるまでに至らない。だが、熟慮を重ねることによってのみ、読まれたものは、真に読者ものとなる。
②読書にはもう1つ難しい条件が加わる。すなわち、紙に書かれた思想は一般に、砂に残った歩行者の足跡以上のものではないのである。歩行者のたどった道は見える。だが、歩行者がその途上で何を見たかを知るには、自分の目を用いなければならない。
③したがって、読書に際しての心がけとしては、読まずにすます技術が重要である。その技術とは、多数の読者がそのつどむさぼり読むものに、我遅れじとばかり、手を出さないことである。 たとえば、読書界に大騒動をおこし、出版された途端に増版に増版を重ねるような政治パンフレット、宗教宣伝用パンフレット、小説、詩などに手を出さないことである。このような出版物の寿命は1年である。
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すごい文字数になってきました、読むのが辛いですね。
『読書について』には、上記3点のような戒めが多数記されており、読書のあり方について、考えさせられます。
③などは、現在の我々が置かれている読書環境についてもあてはまります。本屋さんに高く、広く積まれた新書、文庫、雑誌の数々・・・インターネットで日々更新される情報、ショウペンハウエルのいう寿命は1年から1ヶ月程度に、インターネットにおいては1日程度に縮まっているような気がする今日この頃です。
ちなみに、本書の後半は、新刊書氾濫の弊害や古典を反復して読むことを勧めています。
明日、もう少しだけ続きを書いて、このメモは終わりにし、読書ライフと再会したいと思います。
2008年9月10日水曜日
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